「Up&Down(アップんダウン)」(ここからは「アップんダウン」と略します)は、2人から7人まで遊ぶことのできるファミリーカードゲームです。ゲームの概要はパッケージの裏面に記載されています。こんな感じ。
ゲームに含まれているのは、108枚のカードと4ページのルールブックだけです。108枚のカードの構成は、1から100までの数字の書かれた100枚の数字カードと、その他の特殊カードが8枚です。特殊カードはプレイの順番を変えることのできるカードで、パス(3枚)、ターン(3枚)、ショット(2枚)の3種類があります。特殊カードはインデックス(カードの左上と右下に書かれたマーク)によって、その効果が表されています。
パスはプレイの順番をそのまま次の人に渡すカードです。(次の人をパスさせるという意味ではなく、次の人に順番をパスするという意味です。)
ターンはプレイの順番を逆回りにするカードです。(ウノのリバースと同じと言えばわかりやすいかな?)
ショットはそれを出した人が次にプレイする人を指名できるカードです。指名された人がプレイしたら、そこまでのプレイ順(時計回りか反時計回りか)は変わらずに隣りの人に順番が移って行きます。
ここからは「アップんダウン」の遊び方の説明です。3つの遊び方があります。基本になる「ベーシック」、ギャンブル要素を加味した上級ルールの「キャリーオーバー」、パズル要素のある協力ゲームの「カルドサック」の3つです。
1.「アップんダウン ベーシック」の遊び方
①適当な方法で最初のディーラーを決めます。ディーラーはすべてのカードをよくシャッフルして、全員に裏向きに5枚のカードを配ります。残ったカードは山札として場の中央に裏向きに積んでおきます。
②プレイはディーラーの左隣りの人から始め、時計回りに移って行きます。自分の順番が来たら、手札から1枚のカードを表向きに場に出し、山札から1枚引いて手札に加えます。手札は常に5枚です。
③ディーラーの左隣りの人が最初の1枚を出す時は、どのカードを出してもかまいません。次の人からは、前の人が出したカードよりも大きな数字のカードを出さなければなりません。ただし、前の人が出したカードと1の位の数字が同じなら、小さい数字のカードも出せます。(例えば、85の次に25を出す、63の次に3を出す、100の次に30を出すといったぐあいに。)カードを出す時は、場に出ているカードの上に表向きに重ねて出すようにします。
④3種類の特殊カードは、場の数字に関係なくいつでも出せます。出した時、場の数字は変わりません。それぞれの特殊カードの機能によって、プレイの順番が変わります。特殊カードを出した時は、その前の数字を口に出しながら出すと次の人にわかりやすくていいでしょう。
⑤自分の順番で出せるカードが無い場合は、今回のゲームから脱落します。脱落を宣言して、手札を伏せて自分の前に置きます。
⑥こうしてゲームを進めて行き、最後に生き残った1人が勝者となります。勝者は勝ち点1を記録し、次のゲームのディーラーになります。(もしもゲーム用のチップをお持ちなら、勝者はチップを1枚獲得します。)
⑦もしもゲームの途中で山札が無くなってしまったら、そこからは手札だけで最後の1人になるまでゲームを続けます。(自分の順番で手札を全部出し切ってしまい、その後にもう一度自分に順番が回って来たら、そこで脱落です。自分の順番で手札を出せない人が脱落するルールだからです。)
⑧何ゲームか行い、最初に勝ち点が3になった人(チップを3枚集めた人)が優勝です。
2.「キャリーオーバー」の遊び方
ゲームの基本ルールは「ベーシック」と同じなので、ここでは異なる点だけを説明します。(「キャリーオーバー」には、1人につき10点分のゲーム用チップが必要です。もしもお持ちでなければ、おはじき、ボタン、マッチ棒などで代用してください。)
①プレイヤーは全員10点分のチップを持ちます。このゲームの目的は、なるべくたくさんのチップを稼ぐことです。
②ゲーム開始前に全員1点のチップを場に出します。これをポットと言い、ゲームに勝った人の賞金になります。
③ディーラーを決め、全員に5枚ずつのカードを配り、ベーシックゲームと同じ要領でゲームを行います。途中カードを出すことができなくなった人はゲームから脱落しますが、この時、脱落した人は直前にカードを出した人(つまり自分を脱落させた人)に1点のチップを支払わなければなりません。(2人以上の人が連続して脱落した時は、それぞれが1点ずつ支払います。)
④最後まで生き残った人はポットのチップを総取りする権利を得ます。ただし、ポットを取れるのは、その時点で場に出されている表向きのカード(つまり自分が最後に出したカード)の上にもう1枚手札からカードを出せる場合のみです。もしも手札から新しいカードを出せない場合は、ポットのチップはキャリーオーバーとなり、次のゲームに持ち越されます。
⑤次のゲームに入る前に全員がまた1点のチップをポットに支払います。(キャリーオーバーがあるとポットの賞金は2倍、3倍になって行きます。)前のゲームで最後まで生き残った人がディーラーになり、次のゲームに入ります。
⑥誰かがチップをすべて失って、新しいゲームのためのポットにチップを支払えなくなった時点でゲーム終了です。ただしその時点でキャリーオーバーがあった場合には、チップを払えない人を除いた全員でもう1ゲーム行います。こうしてポットを誰かが取るまでゲームは続きます。
※「キャリーオーバー」はギャンブル系のゲームなので、ゲーム開始時の手持ちチップの枚数や、ゲーム中のチップの買い足しルールなどを、最初に取り決めた上で遊んでください。キャリーオーバーが起こった時には次にポットに供託するチップを2枚ずつにするなど、インフレルールを取り入れるのも面白いと思います。
3.「カルドサック」の遊び方
カルドサックとはフランス語で「袋小路」の意味。手札をオープンした状態で、「袋小路」に追い込まれないよう全員が協力してすべてのカードを場に出すことを目指してプレイを行います。
①このゲームではチップは使いません。ディーラーが5枚ずつカードを配ったら、全員手札を自分の前にオープンして、他の人から見えるようにします。
②オープンされたカードの中で一番小さな数字のカードを持っている人からプレイを開始します。その一番小さなカードを場に出し、山札から1枚引いてオープンした状態で手札に加えます。このゲームでは、5枚の手札は常にオープンしておきます。
③最初は時計回りにプレイ順が移って行きます。カードの出し方のルールはベーシックゲームと同じです。このゲームの最初のミッションは、誰も脱落することなく、山札が無くなるまでプレイを続けることです。
④ゲーム中は原則として相談や指示は無しです。各人が周りの状況をよく見て、自分の判断で最善と思われるプレイをしてください。(もちろん慣れないうちはみんなで相談しながらゲームを進めても構いませんよ。)
⑤山札が無くなる前に脱落者が出たらミッション失敗、そこでゲーム終了です。1人の脱落者も出さずに山札を全部めくったら最初のミッションはクリア。そこからは手札だけでスコアチャレンジのモードに入ります。
⑥スコアチャレンジの目標は、できるだけ多くの人が上がること、つまり手札を全部無くすことです。このモードでは脱落者が出てもゲーム終了にはなりません。脱落した人は手札を伏せてください。最後の1人が脱落するか、手札を出し切るまでゲームは続きます。ゲーム終了後、「スコア」のチェックをします。
⑦カルドサックのスコアは、【手札を出し切った人数/参加プレイヤー数】で表します。例えば5人のゲームで3人が手札を出し切ったら【3/5】、7人ゲームで全員が手札を出し切ったら【7/7】となります。大会などでスコアを競う時は、参加チームの人数を揃えるようにし、スコアが最も大きいチームを優勝とします。同点の時は伏せたカードの枚数が少ない方が上位です。それも同じなら伏せたカードの数字の合計が小さい方が上位になります。
※ルールブックには書きませんでしたが、「カルドサック」は1人用ゲームとしてもおすすめです。テーブルに4人分の手札を配って、それを1人でコントロールしながら【4/4】を目指すのです。(達成はとても難しいです。)
※ゲームに慣れて来ると、山札をすべてめくるまでのミッションは比較的簡単に達成できるようになります。最初に108枚あるカードからランダムに適当な枚数のカードを取り除いてプレイすることで、前半のミッションを短縮することもできます。